2020年12月31日

珍味「からすみ」に挑む。

数十年前から、食べてみたいと思っていたものがある。

何が何でも、というほどではなく、
なんとなくだけれど。

それは、いわゆる珍味と呼ばれるもの。

「からすみ」。

ボラなどの卵巣を塩漬けした後、塩を抜き、
天日干しで乾燥させたもの。

酒呑みにはこたえられないものらしいけど、
それほど酒好きでもない私は、出逢う機会がなかった。

味の想像もできないほど、私の人生とは無縁のものだ。

名前の由来は、形状が中国伝来の墨
「唐墨」に似ていたためだと言う。

ボラだけではなく、
サワラやサバで作る地方もあるらしい。

台湾やイタリア、スペイン、エジプトでも
作られているそうだ。

そのからすみが、突然手に入った。

ふるさと納税の返礼品として、
我が家に送られて来たのだ。

私は、ふるさと納税などしていない。

息子が、返礼品の送り先を我が家にしてくれたものだ。

私が酒呑みではないことはわかっているけど、
昔言ったことを憶えていてくれたようだ。

息子が台湾に行った折、現地でからすみを食べたそうで、
美味しかったと言っていた。

家へのお土産に買おうかと迷ったけれど、
別のものにしたと言った。

その時、かねてより食べたいと思っていた私は、
「何で買うて来てくれへんかった!」と、
残念がったのだ。

そのことを思い出して、
ふるさと納税の返礼品にからすみを選び、
我が家に送ってくれたのだ。

よくできた息子さんだと思う。
親の顔が見てみたい。

といういきさつによって、からすみ初体験となった。

まずは、薄くスライスして、そのまま食べる。

ややボソボソとした食感は、
「なか卯」で食べたトリュフのよう。

匂いは、干物。

食べてみると、
ビン詰めの粒ウニに味が似ていると感じた。

たらこにも近い。

酒のアテには良さそうだ。

次は、薄くスライスしたものを火で炙ってみた。

実に香ばしく、匂いはほぼスルメの炙り。

食べると、脂分がまわっていて、ややねっとりとする。

焼きたらこの味だ、
と言ったら、好きな人には怒られるかもしれない。

次は、「からすみ大根」という、
からすみ界では有名らしいメニューを採用した。

薄く切った大根2枚で、
薄く切ったからすみを挟んだもの。

定番と言われているようだけど、
さほど美味しいとは思えない。

からすみの個性が薄まってしまう。

そして、こちらも定番、「お茶漬け」。

ご飯にお茶漬けの素をかけ、
炙ってから小さく切ったからすみをのせ、
熱いお湯を注ぐ。

香りが立ち、美味しそうな気配。

ズズズッと口に流し込むと、旨い。

確かに旨い。
噂通りの旨さだ。

そんな噂は知らないけど、
そう表現したい気持ちになった。

そして、残り少なくなった最後は、
カルボナーラスパゲティにトッピングしてみた。

おろし金ですりおろし、タップリめにかけた。

香りは、当然ながら海鮮系。

食べると、これも旨い。

これは、たらこスパゲティではないか。

カルボナーラに、たらこをまぜたようだ。

そう、身も蓋もない感想となってしまった。

美味しいけれど、たらこスパ。

これなら、安いたらこで充分だと思った。

せっかくの高級珍味が、ごく普通のメニューとして、
最終章を迎えてしまった。

申し訳ないような気もするけど、
率直な感想だから仕方がない。

からすみには、値段ほどの価値を見出せなかった、
ということだ。

でも、美味しかったことは間違いない。

貴重な経験をさせてもらった。

息子よ、ありがとう。

posted by 遊酔 at 08:41| Comment(0) | 楽食探訪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年12月12日

“いつかは……”と思っていた「あんこう鍋」を初体験。

茨城県では、冬になると
あんこう鍋屋さんに行列ができるほどだという。

旬のあんこうを求めて、全国からやって来るというので、
どれほど美味しいものだろうかと、興味が沸騰していた。

僕も、いつかあの行列に並んでみようと、
近い将来を夢見ていた。

ある日、新聞の折り込みチラシを見ていたら、
「あんこう鍋セット」という文字を見つけた。

これだ!

茨城にはなかなか行けないので、家で食べればいい。
どんな魚なのかぐらいはわかるだろう。

よし、家でやってみよう! となった。

スーパーに行き、売り場で発見。

この量でこの値段は高いなぁ〜。
身は少しで、ほとんどがアラじゃないか。

と思ったものの、お試しだと考えれば、
安いのではないか。

迷わず買って、家で鍋の用意。

ネットで「あんこう鍋」のレシピを探し、
その中から、最大公約数的な作り方を引き出した。

粉末だしの素と醤油、
みりん風調味料があればできそうだ。

ただ、少し面倒なのは、あんこうの下処理が必要なこと。

塩を振り、しばらく置き、10秒ほどサッと茹でるか、
熱湯で湯引きした後、冷たい水で晒す。

こうした手間がすんごく嫌いな僕だけど、
初物のためには仕方がない。

白菜や白ねぎなど、適当な材料で鍋を作り、
最後にあんこうを投入して、火が通れば完成。

いよいよ初体験の時が。

パクリと口に入れると、
ほぉ〜ほぉ〜これがあんこうか、と一瞬だけ、
食べることができた感動があった。

でも、すぐに、なんじゃこりゃ?

淡白な白身魚の味。
クセがない。

少し弾力があり、噛んだ感じはカニのよう。

この程度のものなのか。

これを食べるために、行列に並んでいるのか。
う〜ん。

アラのまわりの残った身も食べてみる。

プニプニのゼラチン質。
やや強めの弾力。

味は……ない。
あるけど、表現するほどじゃない。

僕は、これを美味しいとは言えない。

たとえ作った人の前でも言えない。

誤解されては困るけど、
本当の魚好きには美味しいのだと思う。

僕は、握り寿司の魚以外では、
鯖、秋刀魚、鮭など、ややクセのある魚が好きなので、
白身魚は特徴がないと感じてしまう。

恐らくそのせいで、
あんこうを美味しいとは思えないのだろう。

“いつかは……”という夢は、達成されたと同時に、
儚くも消え去った。

もう食べることはないと思う。

でも、回転寿司店のあん肝の軍艦巻きは好きで、
よく食べている。

posted by 遊酔 at 09:11| Comment(0) | 楽食探訪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月10日

ある駅弁への熱き想いが……。

昭和50年に誕生したその駅弁は、
八角形の経木の折に入り、
料亭の折詰のような佇まいをしていた。

大阪・新大阪の駅で売られている、
水了軒の「八角弁当」。

私が長年想い続けている駅弁だ。

最初に食べたのは、中学生の頃だと思う。

旅行の折に、と言いたいところだけど、
それほど裕福な家ではなかった。

親父が大阪に出た時に、何の気まぐれなのか、
お土産に買って帰ってくれた。

駅弁を食べた記憶が残っていない私にとって、
それは跳び上がって喜ぶほどの感動だった。

弁当はお袋が作るものだった時代に、
“外の弁当”が食べられるのだ。

人一倍食い意地の張った私には、夢のような時間だった。

見たこともない、八角形の弁当箱。

蓋を開けると、テレビで観るおせち料理のように、
キラッキラに輝いていた。

庶民が出逢うことのない、
上品な見ための手の込んだ料理が並んでいた。

そう、決して“おかず”ではない、料亭の一品だ。

黒ごま塩がふられた俵型ご飯、西京焼きと思われる魚、
高野・里芋・竹の子などの煮物、いかの雲丹焼き、
出し巻き玉子、昆布巻き、白花豆、しば漬けなどが、
美しく並んでいる。

とは言え、食欲先行の中学生の私は、
ゆっくりと味わうことなく、
ただただ、旨い旨いとがっつくだけだった。

庶民の小せがれに、微妙な味わいなどわかるはずもなく、
あっと言う間に平らげてしまっていた。

ただ、経験したことのない旨さだったことは、
しっかりと記憶している。

その後、一度だけがっつく機会をもらったけれど、
大人になるまでは食べられなかった。

食べられるのようになったのは、
就職して数年経ってからだった。

やたらと出張が多くなり、大阪や新大阪発の時には、
時々八角弁当を買うようになった。

がっつく食のスタイルは変わらなかったけれど、
さすがに、味わう姿勢は身につけていた。

大人になるとわかるもので、
八角弁当は、料理のひとつひとつが
丁寧に作られていることを実感した。

全体的には関西風であっさりしているけど、
噛むほどに、しっかりとした味つけが感じられる。

行ったことはないけど、料亭で出てくる料理は、
こういうものではないかと想像する。

駅弁マニアも認める、これぞ大阪の駅弁なのだ。

その後、何度か味わったものの、
田舎への移住がきっかけで、食べることはなくなった。

食べたいけど、食べる機会がない。
食べられないほど、想いは募る。

あの味わいが口に蘇ることもしばしば。

そして、20年以上の時が過ぎてしまった。

長かった。

しかし、最近その機会が訪れた。

本当にたまたまだけど、急用で出掛けることになり、
往復、大阪を経由することに。

急用だったために、
往路で駅弁を食べるという気持ちの余裕はなく、
また考えも及ばなかった。

思い出したのは、用が済み、
気持ちの落ちついた帰りだった。

そうだ、「八角弁当」が食べられる。

嬉しい。
非常に嬉しい。

20年以上の熱い想いを成就できる。

売り場を見つけると、
そこには驚くほどの種類の駅弁が並んでいた。

一瞬迷ったけれど、
やはり「八角弁当」でなければならない。

早速買って、電車に乗り、出発とともに駅弁を開いた。

おぉ〜、懐しい。
美味しそうだ。

まずは、お茶で口を清め、煮物の里芋から。

上品な味つけに、私の記憶が蘇った。

これよ、これ!

次にご飯を食べ、別の料理に。

くどいようだけど、おかずではなく、料理だ。

しばし感動を味わっていたけど、
ごくごく微妙な違和感に気づき始めた。

何かが違う。
私の知っている「八角弁当」とは、どこかが違う。

味は上品で、美味しい。

でも、味に深みがないというのか、
コクがないというのか。

あっさりとした中にも、
しっかりとした味がついていたはずだけど、
この弁当はひとつまみ分の塩が足りない感じがする。

調味料を減らしているのか、と疑ってしまう。

もうひとつ、決定的な違いを感じるものがある。

食材の質が落ちている。

以前のものとは明かに違う食材もある。

20年という月日の流れで、
仕方なくそうなってしまったのかもしれないけど、
ファンとしては非常に悲しい。

ケチのつけどころがなかった銘品が、
落ちぶれたようにさえ感じてしまう。

残念。

私の想いは、儚くも崩れ落ちていった。

もう、買わないだろう。

たくさん並んだ、他の駅弁を選ぶことになりそうだ。

実に淋しい。

posted by 遊酔 at 08:31| Comment(0) | 楽食探訪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年05月04日

本物のわらび餅って?

食べたい、食べたい。ぜひ、食べてみたい。
人には、そう強く願うものがある。

その機会を心待ちにしている時間が楽しかったりする。

でも、それほどの熱い想いもなく、
知らないものだから食べてみたいと、
ぼんやりと考えているものもある。

それは、知識欲と言っても良いだろう。
知りたいという気持ち。

私にとっては、「本わらび餅」という存在がそれなのだ。

子どもの頃、家の近くまで、
リヤカー屋台を引いた「わらび餅屋さん」が来ていた。

確か、おばちゃんだったと思う。

鐘をチリンチリンと鳴らしながら、近づいてくる。

その音を聞くと、食べたくて仕方がない。
私は、小銭を握りしめて、走って行く。

おばちゃん、ひと皿ちょうだい!

ひと皿とは言っているが、その頃は、
たこ焼きを入れる竹の舟に入れていたので、
皿ではないけれど。

おばちゃんは、氷水に入ったわらび餅を網ですくい上げ、
決してキレイとは言い難い手ぬぐいで水気を拭いて、
竹の舟に盛り、上から砂糖入りのきなこをふりかける。

それを家に持ち帰り、一所懸命にゆっくりと味わう。

ゆっくり食べなければ、
辺りがきなこだらけになるからだ。

ひんやり冷たいわらび餅は、非常に旨い。

残ったきなこも舐め尽くす。

何度も何度もこの屋台に走って行った記憶がある。
子どもの頃の鮮明な思い出だ。

やがて大人になり、
ショッキングなことを知ることになる。

あのわらび餅はニセモノだったと。

粋な大人の出入りする甘味処で出されるわらび餅は、
とろ〜んとしていて、茶色いものが多い。

私の知っているわらび餅は、
透明で、少し両端の尖った俵のような形。

プルンプルンとしているが、とろ〜んではない。

私が食べていたものは何だったのだろう、
という疑問が沸き起こる。

ショックだった。
私が食べていたのは、芋の澱粉だけで作ったものだった。

あの屋台のおばちゃんは、幼気な私を騙していたのか。

まぁ、貧乏人を喜ばせるための
社会のしくみのようなものだけど。

それからの私は、わらび餅という言葉を聞くたびに、
本わらび餅を食べたいと考えてしまうようになった。

でも、食べたい食べたいと強く願うものではないので、
また、すぐに忘れてしまい、時は流れて行く。

そして先日、ついにその日はやって来た。

普通にスーパーで買い物をしていると、
棚に“わらび餅”の文字が。

茶色い佇まいは、
私のわらび餅ではないことを示している。

おっ!
もしかして、これは?

裏面の原材料名を見ると、これは……本物。

これまでも売っていたのかもしれないけど、
興味が薄かったせいで、見逃していたのだろう。

これは、買わなければ。

やっと手に入れた、小さな願い。
どれほど美味しいものなのか。

家に帰り、別添えのきなこを掛けて、そっとパクリ。

ブヨブヨ、グニグニ。

美味しそうな表現ではないけど、
感じたままを書いている。

味は、ニセモノと違って、ある。

そう、味があるとしか書けない。
例えるものが浮かばない。

紅茶のような、薄いほうじ茶のような。

中に砂糖が入っているらしく、ほど良い甘さは感じる。

これが、本物。
粋な大人が食べる、本わらび餅。

そんなに旨いか?
というのが、正直なところ。

結構高い値段で売られているけど、
それほどの価値があるとは思えない。

私は、ニセモノの方が好きだ。
美味しいと思う。

またひとつ、小さな憧れが落胆へと姿を変えた。


後日、このわらび餅が「本わらび100%」
ではないかもしれないことを知った。

「わらび粉」という表示は、曖昧な表現だという。

本わらびは入っているが、他に混ぜものがあるかも、
ということらしい。

いわゆる業界の裏事情だ。

まぁ、私は得心したので、わらび餅への興味は捨て去る。

posted by 遊酔 at 08:45| Comment(0) | 楽食探訪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月02日

華もなく、存在感も薄い「回鍋肉」。だけど……。

「餃子の王将」に、夫婦で行った。

注文するものは、いつもだいたい決まっている。
それが食べたいがために行くのだから。

炒飯、五目そば、餃子、鶏の唐揚。

夫婦がともに気に入っているものだ。

時に、一品が酢豚になったり、焼そばになったり、
焼豚やチャンポンになることも。

でも、たまには違うものを食べてみなくちゃ、
と冒険することもある。

そこで今回は、オーダーをすべて変えてみた。

30年以上前に食べた記憶だけが残っている「天津飯」。

割と新しいメニューである「極王炒飯」。

ちょっと贅沢に「海老の天ぷら」。

そして、何を思ったか「回鍋肉」。

ほぼ食べたことのないメニューのオンパレードだ。
これは楽しみ。

でも今回は、「回鍋肉」の話をしたいので、
他の料理は味の感想だけを書く。

まずは、天津飯。

記憶はほぼないけれど、“これじゃない!”という印象。

醤油が濃いし、酸味がある。

関西の天津飯は、銀あんで、
もっとあっさりしているイメージだった。

正直言って、美味しくない。

極王炒飯はどうか。

普通の炒飯の高級版だと思って食べたけど、
えっ、こんなもの?

パラパラしているけど、まったくパンチがない。
不甲斐ない味。

「極」も「王」も不在だ。

海老の天ぷら。

海老がほどほどに大きく、プリップリの食感。

塩胡椒で食べると、ストレートに旨い。

ただ揚げているだけで、味つけしていないので、
美味しいのかもしれない。

そして、回鍋肉。

思えば、外でこの料理を食べたことはない。

家でも、市販の合わせ調味料を使って、
一度だけ食べたような気がする。

つまり、人生で一度だけの料理。

なぜ、このメニューを選んだのか。

本格的な中国料理のお店では、まずは注文しない。
というか、メニューにあるのかどうかさえわからない。

庶民的なお店では、だいたい食べるものが決まっている。

メニューにあっても、目が行かない。

「回鍋肉」の文字は輝いていないし、
語りかけても来ない。

華やかさも感じられないし、存在感もない。

「青椒肉絲(チンジャオロース)」と同じレベルで、
「回鍋肉」という字は「ホイコーロー」と読むんだよと、
軽く自慢する時に口にするぐらいの言葉だ。

「干焼蝦仁(カンシャオシャーレン)」より簡単なので、
格下だと言っても良い。

そんな地味な存在だからこそ、
今回、頼んでみようとなったのだ。

ほぼ未知の世界。
私たちには、大きなチャレンジだと言える。

出てきたそれは、まず、見ためが悪い。

黒く汚れたキャベツとキャベツの間に、
さらに黒い豚肉が見えている。

家で作った、しかも手抜きの
「豚とキャベツの炒め物」としか思えない。

これは、お店で出すようなものなのか。

変な興味が湧いてくる。

どれどれ。

ほぉ〜、旨いんじゃないか。

甘辛い味が舌にまったりと絡みついてくる。

甜麺醤が濃厚で、白いご飯が欲しくなる。

唐辛子が入っているので、
汗かきの私にはちょっとヘビーだけど。

なるほど、これが回鍋肉なのか。

合わせ調味料で作った時とほぼ同じ味かもしれない。

そう、それが回鍋肉の立ち位置。

難しくもなく、味にも高級感はない。
家庭でも作ることができる。

なのに、街の中華屋さんのメニューには、
しっかりと名前が載っているのが不思議だ。

注文している人、
食べている人を見掛けたことはないけど、
誰かが食べるからメニューに残っているのだろう。

恐らく、私は二度と注文しないと思う。
美味しいけど、そこまでの価値を見出せない。

夕食を食べに、毎日通うような常連さんが、
日替わりのおかずとして選ぶのではないか。

母親が作る家庭料理のような存在。
それが、回鍋肉だと思う。

posted by 遊酔 at 09:26| Comment(0) | 楽食探訪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月29日

侮れない、ファミレスの「たらこスパゲティ」。

人気のある女装芸能人が、
「ジョリーパスタ」の『たらこスパゲティ』は、
すっごく美味しいと言っていた。

「ジョリーパスタ」の話の中で言ったことなので、
社交辞令込みの発言だと思うが、妙に気になる。

というのも、このお店には一度だけ行ったことがあり、
「大したことない」という印象で、
二度と行くことはないと思っていたからだ。

でも、割と辛口な発言をする芸能人なので、
もしかして本当なのかもと、
自身が俗物であることをさらけ出す思いに駆られた。

一度目の来訪では、
「たらこスパゲティ」は食べていない。

たらこは美味しいのかもしれない。
僕は、たらこが大好きだ。

これはもう行くしかないな、となった。

開店直後の11時過ぎ。
お店はガラガラ。
2組ほどが座っていた。

奥の窓際の席に案内された。

嫁はんとふたり、メニューを開いて、
しばし愉快な時間を過ごす。

そう、料理を選ぶことは楽しい。
迷いまくるが、ワクワクする。

「たらこスパゲティ」は決まっているが、
なんと3種類もある。

「たらこ」「たらこクリーム」「濃厚焼きたらこ」。

あの芸能人が言っていたのはどれだ?
わからない。

わからないなら、基本型にしよう。

で、「たらこ」を1つ。

それと、このお店はイタリアンなので、
ピザも頼むことに。

嬉しいことに、小さなサイズのピザが用意されている。

これで、2種類頼んでみよう。

「ピッコロ・マルゲリータ」と
「ピッコロ・クワトロフォルマッジ」。

“小さい”を表す「ピッコロ」という名がついている。

ピッコロと言われると、
ナメック星人を思い浮かべるのは私だけだろうか。

それと、ドリンクバーを頼んだ。

ここのドリンクバーは、他とちょっと違う。

ぶどうの品種である「カベルネ」と
「シャルドネ」という名のジュースがある。

これは面白い。
初めて見る。

ありきたりではないところに、
「なかなかやるじゃないか!」と、感心してしまう。

もうひとつ、「シトラスロワイヤル」という、
意味不明なジュースもある。

柑橘系の何かだろうが、説明はなかったと思う。

他のものはやや普通だけど、この3つで充分に楽しめる。

僕たちが、しばしジュースを飲みながら
おしゃべりをしていたら、
「マルゲリータ」と「クワトロ」が運ばれてきた。

なるほど、ピッコロだ。

クワトロにははちみつをかけて食べてくださいとのこと。

他のお店でも、そういう食べ方をするらしいけど、
私は初めてなので、ちょっとビックリ。

食事系のピザに甘いはちみつが合うのだろうかと、???

まずは、マルゲリータから。

トマトとバジルとチーズ。
3つのバランスが良く、普通に旨い。

いや、ピッコロの割にはパンチがある。

ピッコロは関係ないけど。

さて次は、クワトロ。

とりあえず、そのまま。

くど過ぎず、
口いっぱいに広がるチーズの豊かな味と香り。

チーズの種類がひとつひとつわかるほど、
チーズに親しんでいないけど、
このチーズの組み合わせが旨いということはわかる。

これは、マルゲリータより旨い。

では、はちみつをかけてみるか。
たら〜り。

もぐもぐ。

おぉ、こ、これは旨い。

チーズとはちみつの組み合わせは、
これほど合うものなのか。

フムフム。
ベリー納得だ。

ただし、ただし、食事としてのピザではなくなり、
スイーツとなってしまう。

ピザを食べた後のデザートとしてなら、
アリかもしれない。

ピザのデザートがピザって。

新しい味を堪能していると、「たらこ」がやって来た。

見ためはいたって普通。

食べてみると、これはいい。

たらこスパのややパサパサとしたイメージとは違い、
しっとりとしている。

たらこの臭みはない。

たらこの良いところだけを舌に感じさせてくれる。

麺はアルデンテ。
私は、少しやわらかいものが好みだけど、
これは気にならない。

女装芸能人の言うことは本当だった。

確かに旨い。
食べて良かったと思う。

が、しかし、もう1つ気になる
「たらこスパゲティ」がある。

「濃厚焼きたらこ」。

芸能人の言っていたのは、
もしかしてこっちかもしれないと思い始め、
食べなければいけない使命感が芽生えた。

腹にはまだまだ余裕があったので、即、注文。

たらこの後のたらこ。

「どんだけ好きやねん!」と、
従業員さんは思ったかもしれない。

しばらくしたら、またまたやって来た。

今度のたらこは、ちょっと華やか。

イカやしめじ、かいわれなどがのっていて、
まん中には生玉子の黄身。

これは旨そうだ。

ひと口、ハムッ!

うんうん、えっ?

旨過ぎる!!!!!

普通のたらこスパを100点だと思っていたので、
こちらは150点をつけなければいけない。

たらこは、やっぱり焼くべきです。

香ばしくて、たらこインパクト絶大。

玉子を絡めると、焼きたらことスパゲティが、
とろ〜りとまったりでくるまれてしまう。

こんなに旨いたらこスパゲティを、
なぜ、いままで放置してきたのか。

悔しい限りです。

ファミレスを完全に侮っていた。
申し訳ないと思う。

十二分に、十三分に、十五分に味わった。
もう、満腹満足。

でも、せっかくなので、スイーツもお試しすることに。

「アップルパイ」と「3種のドルチェ盛り合わせ」。

まぁ、100%のお店などないことをお知らせして、
話を終わろう。

何でこんなにマズ……。

posted by 遊酔 at 09:28| Comment(0) | 楽食探訪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月13日

「高級生食パン」の何が高級?

いま頃? と思われるかもしれないけど、
意を決して、高級生食パンとやらを
体験することにした。

どんなものかを知りたい
という思いはずっとあったけど、
関西人として、行列に並ぶことや予約をしてまで、
食べたいとは思っていなかったのだ。

時間と価値を天秤に掛ける、
関西人のこだわりだと言ってもいい。

でも、いつまでも放置するわけにはいかない、
という探究者的思考回路が働いた。

探究者なら、もっと早く体験すべきだ、
というツッコミがありそうだけど。

これが、肉や寿司だったら、
足は軽くなっていただろうけど、
相手が食パンなので、
グダグダとここまで来てしまった。

総菜パンなら、嬉しがる私だけど、
あまり食パンには興味を持てないでいる。

純粋なパン好きではないのだろう。

でも、総菜パンなら、
一度に5個6個と食べてしまう。

それほど大好きだ。

で、朝11時のオープンに合わせ、車で出掛けた。

お店に着いたら、駐車場が1つだけ空いていたので、
そこに止めた。

平日なので、行列ができるほどではないけれど、
オープンと同時に次々と車がやって来る。

田舎のお店なので、歩いて来る人はあまりいない。

お店に入ると、さすがに普通のパン屋さんとは違う。

「う〜わぁ〜、めっちゃ高そうやん!」という
雰囲気を醸し出している。

銀座あたりの高級和菓子店といった佇まい。
行ったことはないので、知らないけど。

暗く落とした照明の中、
スポットライト的に照らされたショーケースに、
1本(2斤)とハーフ(1斤)、
ジャムなんかがスカスカに並んでいる。

いや、うやうやしく
上品に鎮座していると言った方がいいのか。

私の注文は決まっているので、
「ハーフを2つください」。

ご近所さんに1つプレゼントするために、2つ買った。

田舎に住んでいると、
こうしたものはあまり手に入らないので、
日頃の感謝を込めて渡すためだ。

ここで、「1本をプレゼントしないの?」
と思われるかもしれないけど、
もし美味しくなかったら、という思いと、
渡す相手は高齢夫婦なので、
食べ切れないだろうと考えたからだ。

私がケチなのではない、ということをつけ加えておく。

家に帰り、食してみたら……。

んっ?
小麦粉の香りがあまりしない。
手触りはフワフワ。

中の部分をちぎって食べると、ほのかに甘い。
あくまで、ほのか。

目の詰まった生地は、上品な舌触りでやわらかい。

この食パンの評判は、
耳が特にやわらかいということだったけど、
確かにやわらかくて食べやすい。

これが、中高年にウケている理由だそうだ。

でも、でも、普通の食パンの倍以上のお金を出して
買うほどの味わいではないと思う。

美味しいとは思うけど、
「金の食パン」や「超熟」、「本仕込」、
「ダブルソフト」に圧勝かというと、そうではない。

同程度かそれ以下だと言えるかもしれない。

コスパが圧倒的に悪い。

日常的に食べるような食パンではないし、
特別な日に食べるというほどのものでもない。

高級なのは、値段だけだった。

なぜ、世の中の人が
有り難がって食べているのかがわからない。

まぁ、売り方が上手なことは認めるけど。

posted by 遊酔 at 09:05| Comment(0) | 楽食探訪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月11日

ありふれた「とんかつ」が嬉しい。

ごくごくたまに、「とんかつ」が食べたくなる。

でも、世の男性諸氏に比べ、嗜好がやや女性寄りの私は、
「とんかつ」を頻繁に食べたいとは思わない。

験を担ぐ時やパワーをつけたい時に食べる、
という習慣もない。

ただ、なんとなく食べたくなるだけ。

なので、わざわざ美味しいお店を探してまで、
行くようなことはない。

手近なお店で、1年に1〜2回食べれば良い。

ところが、田舎に住んでいるため、
「とんかつ」を食べられるお店が近くにはない。

よって、何年も食べないことがある。

そうなると、執着がなくとも、
だんだん食べたくなるものだ。

そんな思いが募ってきた頃、
チェーン店の「かつや」が近くにオープンした。

近くと言っても、車で1時間半は掛かるけど。

我が家から1時間半掛ければ、
さまざまなチェーン店のある街に行くことはできる。

元都会人の田舎者にとっては、ちょっと嬉しいことだ。

そこで、いつものように嫁はんと「かつや」を目指した。

チェーン店独特の明るく整然とした店内に入り、
テーブルに着くと、すぐにお茶が運ばれ、
メニュー表が置かれた。

メニューはたいだいネットで見ていたので、
注文するものは決まっていたが、ひと通り眺めて、
店員さんを呼ぶ。

「ロースカツ定食とヒレカツ定食をください」。

嫁はんと半分ずつ分け合うつもりだ。

ここで、最初に出してくれたお茶を飲むと、
ほうじ茶だった。
これは嬉しい。

緑茶でもいいけど、たまにしか飲まないほうじ茶は、
新鮮で美味しいものだ。

早速たべようと「いただきます」と言ったものの、
テーブルの端を見ると、
とんかつソースしか置かれていない。

それほどとんかつにこだわりはない私だけれど、
とんかつは塩で食べるものだ、という思い込みがある。

それをこだわりと言うのかもしれないが。

とんかつ通からすれば、塩が置かれていないなんて、
あり得ない。

塩がとんかつの味を一番引き立てるのだ。
なってないなぁ〜、と思ってしまった。

いつの間にか、“通”になっている私。

ちょっと怒りながら、店員さんを呼んで、
「塩をもらえませんか」と、優しく言ってみた。

店員さんは、「塩ですか?」と、
私が変なことを言っているかのような顔をしながら、
取りに行ってくれた。

私は、何がおかしいんだ!
と、通の怒りをそっと飲み込んだ。

この地域では、塩で食べる習慣がないのだろうか。

それとも、「かつや」のこだわりだろうか。

私は、まずは塩をかけて、ロースカツをひと口。

サクッ、ジュワァ〜。

衣と肉のバランスがちょうど良い。
脂ののり方も素晴らしく、甘い。
しかも、やわらかい。
豚の旨味も充分に感じる。

旨いじゃないか。
これだよ。これがとんかつだよ。

日頃食べないくせに、偉そうなことを思う。

失礼ながら、チェーン店なのにこんなに旨いのか。
と、感心した。

嫁はんのヒレカツも食べてみる。

こちらは、当たり前だけど、脂がやや抑えられている分、
豚の味が濃く感じる。これも旨い。

最近のチェーン店は、その技量に驚く。

何年も掛けて築き上げた個人のお店の味を超えている。

これでは、中途半端な小さなお店は勝てないだろう。

とんかつも旨いが、食べ放題の「割干大根漬」も旨い。
これだけでもご飯がすすむ。

これも得点が高い。

このレベルの味が気軽に食べられるのは、
幸せなことだと思う。

各地のとんかつを食べ尽くした、という人でもなければ、
充分過ぎる旨さだと思う。

普通のとんかつ好きなら、頻繁に通ってしまうだろう。

これからは、私も、
とんかつを食べる回数が増えるだろう。

posted by 遊酔 at 07:56| Comment(0) | 楽食探訪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年05月11日

健康を気遣う? “町ケーキ”のお店。

人がおらず、ただ車が走り抜けるばかりの寂れた商店街。

その一角に、
古くから営業を続けているケーキ屋さんがある。

お洒落とは程遠い、昔の佇まいを守っている。

“町中華”という呼び方があるように、
“町ケーキ”と呼んでも良いお店だ。

50年前なら、お金持ちも庶民も、
分け隔てなく利用していただろう。

そんなお店がいまだ健在だということに、
興味を持ってしまう。

お店は古くても、ケーキは美味しいのかもしれない。

常連さんがいるから、潰れずに残っているのだろう。

でも、潰れないことが不思議なお店というのは、
日本中に存在している。
そんなお店なのかもしれない。

どちらにしても、
その秘密を探ってみたくなるのが、私の性格。

勇気を出して、いざ、お店へ。

店内は、昔ならごくありふれた、
現在では見掛けない、古い造りのケーキ屋さん。

小さめのショーケースに、
少量ずつのケーキが数種類並んでいる。

ショーケースのまわりには、
贈答用の焼き菓子が何種類か。

さて、何を買ってみようか。

と言っても、初めてのケーキ屋さんでは、
だいたい買うものは決まっている。

王道中の王道。
どのお店でもあるものを選ぶ。

いちごのショートケーキとチーズケーキだ。

このお店のケーキは、見ためがとても綺麗だ。

デザインはあまり特徴がないけど、
表面のなめらかさや
角がピシッと直角になっているところ。

とても丁寧な仕事だということが、ひとめでわかる。

これは、期待できそうだ。

そして、持ち帰り……。

ショートケーキをひと口。

生クリームのなめらかさ。
スポンジのきめ細かさとしっとり感。

失礼ながら、“町ケーキ”なので、
ここまで丁寧だとは思わなかった。

次に、チーズケーキを。

ベイクドだけど、パサパサ感はなく、
実になめらかな食感。

やはり、丁寧に作られていると思う。

ところが、ところが。

味の感想を後まわしにしたけど、
それは、ケーキの見ためや食感と味の差が、
あまりにも大きかったからだ。

これは大袈裟ではなく、ええぇぇ〜〜〜〜と、
声をあげて驚くほど、マズいのだ。

生クリームもスポンジもチーズも、
すべて味が薄い。

生クリームは、
低脂肪乳にさらに水を足した感じがするほど。

スポンジは、食器を洗うスポンジかと思うほど。
台所用スポンジを食べたことはないけど。

チーズは、遠くにほのかな香りがするだけ。

安い材料を使うのなら、
せめて甘さでごまかしそうなものだけど、
砂糖も節約している。

ほぼ味がない、と言っても良い。

見ためと食感は、プロ中のプロの仕事。
味は、ヘタな素人が作ったもの以下。

これほど違和感のあるケーキを、
これまで食べたことはない。

何とも不思議なケーキ屋さんだ。

この地域は高齢者が多いから、
脂肪や糖を控えているのだろうか。

ここのお客さんは、
「あっさりしている」という認識なのか。

甘さに弱い私でも、さすがに、
もう少し甘さを出して欲しいと思う。

でも、このお店は何十年も営業している。
つまり、常連さんがいるということ。

この地域の人たちにとっては、
“美味しいケーキ屋さん”なのかも。

味音痴か! と、悪態をついてしまうほど、
マズいと思うのだが、もしかすると、
贈答用の焼き菓子でもっているお店なのかもしれない。

田舎は、贈り物が多い。
でも、贈答品を扱うお店は少ない。

そんな需要が、このお店を支えているのだろう。

もし、この読みが間違っているなら、
私は自分の味覚を疑わなければならなくなる。

posted by 遊酔 at 09:06| Comment(0) | 楽食探訪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月13日

「ねこまんま」のある大衆食堂。

そのお店の存在は、20年以上前から知っていた。

失礼な言い方だけど、どこにでもある古い大衆食堂だ。

どちらかと言えば、好きなタイプのお店だけど、
場所が家から遠いこともあり、
興味を持つこともなかった。

だけど、何度かお店の前を車で通っていると、
お客さんの出入りを目にすることもあった。

昼前頃だと、多くの人が押し寄せるかのように、
集まって来るのがわかった。

昔からやっていて、お客さんも多いので、
20年経って初めて興味が湧いてきたのだ。

いまは便利な時代で、
ネットでお店のことを調べることができる。

……と、わざわざ書くところが古い人間なのだろう。

検索してみると、予想に反して人気店だったのだ。

口コミは多いが、悪口は少ない。
誉める人が大半だった。

おやおや、これは失敗だ。
何で、20年も放置してしまったのか。

口コミを読んでみると、「中華そば」ファンが多い。
昔ながらの鶏ガラ醤油で、絶賛されている。

地元和歌山のラーメンは、
豚骨醤油が支配していると言っても良い。

他の味を探すのに苦労する地域なのだ。

なので、私は愛する中華そばを諦めていた。

ところが、20年もスルーしていたお店にあったなんて。
これは、行かねば。

他の口コミも見てみると、
驚くべきメニューが存在していた。

こんなものを売るのか? 売れるのか?
単品メニューとして成立するのかと疑ってしまうもの。

メニュー名は「ねこ飯」。

いわゆる“ねこまんま”だ。

美味しいことはわかっていても、
家庭でさえ作ることのないメニューではないか。

それが売られている。
面白い。
勇気ある決断。

これも食べてみなければ。

で、「中華そば」と「ねこ飯」を求めて、
嫁はんと向かった。

11時のオープンと同時に入り、一番乗り。

カウンターの惣菜やメニューをひと通り見たが、
決めていたものを即、注文。

「中華そば2つとねこ飯」。

セルフのお水を取りに行きながら、店内を観察。

厨房は広いが、店内も広い。

お母さんと娘さんの2人でやっているように見えた。

お父さんが亡くなって、苦労しているんだなぁ〜と、
勝手に想像して、涙が出そうになる。

2人でやっているから、
惣菜の種類が少ないのかもしれない。

割と早く、「中華そば」と「ねこ飯」がやって来た。

中華そばの佇まいは、
おぉ〜! と声を上げてしまうほど、
懐かしい姿をしていた。

醤油色のスープの中に、黄色い、やや太めの麺が沈み、
その上にはもやしとねぎとナルト、豚肉が乗っている。

チャーシューではなく、豚肉なのがちょっと気になる。
というより、残念。

正しい姿としては、やはりチャーシューが欲しい。

そこは良しとして、まずスープをすする。

おっ、旨い!
やや甘さを感じるものの、正統派中華そばの味だ。

麺の太さがいい。
ごくごく普通の、固くなく、軟らかくもない麺。

もやしも合う。
ねぎも合う。
ナルトは、赤色優勢の反対タイプ。
まぁ、良しとする。

そして、豚肉。

どうやら、スープと一緒に煮たのではないか
と思われる味になっている。
美味しいけど……。

この豚肉の甘さが、スープに入ってしまっている。

私の好みとしては、この甘さを無くした方が、
スッキリと引き締まった味になると思う。
惜しい。

とは言うものの、鶏ガラ醤油を欲していた私には、
充分に満足できる味だ。

そうだ、忘れるところだった。

この中華そばには、
「おろし玉ねぎ」が別添えされている。
途中で味変するためのもの。

玉ねぎのみじん切りが入っているラーメンは、
テレビで観たことはあったが、体験するのは初めてだ。

途中で入れてみると、「こうなるのかぁ〜」と、
感心してしまった。

味が、かなり引き締まる。

甘いスープがキリリとするので、これもまた旨し。

次に、「ねこ飯」を。

小さな重箱のような容器に入って、フタをしている。
パックの5枚入り味つけ海苔が添えられている。

フタを取ると、ご飯。

当たり前だけど、
中に醤油に浸したおかかが入っているだけなので、
上空から見た姿は、白ご飯だ。

そこに、味つけ海苔を並べてみる。

5枚がピッタリと乗っかるサイズで、
ちょっと面白いと思ってしまう。
どうでもいいことだけど。

海苔と一緒にご飯をすくって、パクッ。

ほら、旨い。

マズいはずはない。
私には食べ慣れた味で、特に感動はないが、
これをメニューにしていることには、
妙な感動がある。

このねこまんまが、中華そばとよく合う。

嫁はんと交互に、バクバク食べてしまう。

中華そばのスープも飲み干してしまった。

いやぁ〜、懐かしき味わいに嬉しくなった。
また来ることになるだろう。

しかし、この20年がもったいない。

posted by 遊酔 at 10:26| Comment(0) | 楽食探訪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月08日

初めてじゃないのに、初めて味わう「牛たん」。

ショッピングセンター内のフードコートを歩いていた。

食べるお店を決めていなかったので、
面白そうな、珍しい食べ物はないかと、
キョロキョロと見ていたのだ。

最近のフードコートは、昔とは違う。

ラーメン、カレー、うどん、丼物といった、
どこにでもある、間に合わせ的なものじゃない。

お洒落な雰囲気で、ユニークなものが食べられる。

その中に、
私の心をギュギュッとつかんだお店があった。

まさかフードコートで
出逢えるとは思わなかった食べ物だ。

「牛たん」。

宮城県仙台市で有名な「牛たん定食」のお店だ。

いつかはご当地に食べに行きたいと思っていた牛たんが、
自身の地元で食べられるなんて。

即、決まり!

他にも面白い食べ物はいくつかあったが、
もう目に入らない。

店頭の写真入りメニューを見ると、
テレビで観た、あの定食そのものがあった。

仙台の牛たん定食は、
どのお店に行っても、その内容はほぼ決まっている。

炭火で焼いた牛たん、麦飯、とろろ、スープ、漬け物。

同じものが食べられる嬉しさで、恥ずかしながら、
落ち着きのない子どものような動きに
なっていたかもしれない。

定食の牛たんは、
「たんなか」もしくは「たんもと」から選べる。

牛たん定食初心者の私は、当然、両方を食べたい。
なので、嫁はんに「たんもと」、
私は「たんなか」を注文した。

フードコートなので、
呼び出しベルを持たされ、しばし待つ。

まだか。
もうすぐか。
そろそろだろう。

もうすぐ還暦なのに、ほんと落ち着きがない。

やっと、ベルが鳴った。
急ぎ足で向かう。

目の前の牛たんは、見たことのない肉姿をしていた。
まったく知らない肉が並んでいたのだ。

これが、牛たんなのか。
と言っても、牛たんを食べたことがないわけじゃない。
焼肉屋や居酒屋で、何度か食べている。

でも、それらはペラッペラなもので、姿がぜんぜん違う。

席に着いて、いざ初陣。

カプッ!
ガブッ! と大きな口で食べる勇気がない。
小さめにかじって、じっくり味わう。

じゅんわぁ〜と、口の中に広がる旨味。
カルビやハラミとはまったく違う味わい。

脂ののった肉汁ではなく、独特なたん汁。
肝臓で生成される黄褐色の液体みたいだが。

そんなことはどうでもよくて、
牛たんならではの味は、薄い肉で知ってはいたが、
この厚切りたんなかは、別物。

どんな味だと表現できないのがもどかしい。
初めて体験する味なので、例えようがないのだ。

とにかく旨い。
牛たんは、厚切りじゃないとダメだね、
と、気取って言いたくなった。

ペラッペラの牛たんなど、
今後、私の食のシーンには不要だ。

正直に言うと、たんなかはちょっと固い。
良く言うと、ほど良い弾力がある。

でも、旨いので、固さは許せる。

で、嫁はんのたんもとをもらって、食べてみる。

うわぁ〜〜〜〜〜〜、柔らか〜〜〜〜い。
こっちの方が断然旨い。

たんなかで初めての旨さを知ったけど、
たんもとでさらなる旨さを経験した。

これは、私の人生において、貴重な時間だったと言える。
大袈裟ではない。

牛たんを味わいながら、麦飯にとろろをかけて、
ズルズルと口に流し込む。

どこかの観光地の古民家で食べるような、嬉しさがある。
これも旨い。

このとろろ麦飯に、漬け物が合う。
パリパリ、ズルズル、のリズムが心地よい。

そして、牛たんの次に驚いたのが、
「コラーゲンスープ」という名で出している、
牛たんスープ。

牛たんのテールスープだけど、
鶏のコラーゲンを入れることで、女性ウケを狙っている。

このスープが、また旨い。
初めて飲む味だ。
これは、2杯でも3杯でも飲める。

良いお店ができたものだ。

また来たい。
いや、何度も通いたい。

ただ、ちょっと高いのが辛い。
フードコートの値段ではない。

少し外食を減らし、
その分で、たまにでもいいので食べたい、
と強く思う。

posted by 遊酔 at 08:57| Comment(0) | 楽食探訪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年02月19日

最初で最後となった、ブリしゃぶ。

テレビのグルメ番組や旅行番組を観ていると、
冬になれば、いろんな鍋が紹介されている。

その地域ならではの味があって、興味深く観ている。

でも、本来私は、魚の入った鍋があまり好きじゃない。

子どもの頃は、
鯛とちりめんじゃこ以外の魚を食べなかったので、
その名残りだと思う。

大人になって、焼き魚や煮魚、
にぎり寿司は好きになったけど、
鍋はいまだに苦手だ。

どうも、生臭さを感じてしまう。

どれだけテレビの絵面が良くても、
美味しそうとは思わない。

でも、あの鍋だけには心を惹かれてしまった。

食べてる人たちが、ほんとに美味しそうな顔をしている。

出汁の中でしゃぶしゃぶして、パクッと。

そのしゃぶしゃぶモーションからして、旨そう。

ポン酢で食べるので、生臭さもなさそう。
サッパリと食べられるだろう。

魚の鍋には興味がなかったのに、
この鍋だけは食べてみたいと思ったのだ。

「ブリのしゃぶしゃぶ」。

ブリは、回転寿司ぐらいでしか食べない。
つまり、生のブリにしか馴染みがない。

照り焼きも食べるが、
数年に一度しか出逢えない貴重なもの。

しゃぶしゃぶなので、軽く火の通った状態になるけど、
それがどんな味なのかが想像できない。

まったくわからないから、なおさら興味が湧く。

で、できれば、お店で食べたいところだけど、
そんな高級なものが食べられるお店には行く気がない。
というより、行けない。

よって、自宅でなんとかしなければ……。

以前から、スーパーのチラシに掲載されている、
「ブリのしゃぶしゃぶ」に目をつけていた。

数切れしか入っていないけど、数百円で売られている。

これなら、なんとかなる。
どんなものかぐらいはわかる。

そんな想いを抱いて、数年経っている。

そして、やっと、
ブリしゃぶの売り出し日に出掛ける用事ができたので、
エイヤァー! と買うことにした。

売り出しでもなければ、躊躇する値段だから。

薄っぺらいブリが12切れと
身がたっぷりついたアラが2切れ、
ねぎ、しそ、ゆずポン酢が添えられている。
税抜き598円。

安いと思う人もいるだろうが、我が家には充分高い。

でも、巡ってきたチャンスを逃すと、
また何年もスルーしてしまうかもしれない。

長年の想いをここで遂げよう。

買ってしまった。

さて、鍋の準備だ。
と言っても、ブリを味わうことしか考えていないので、
他の具材は何でも良い。

よって、白菜を中心に適当に用意した。
その内訳は、説明するほどのものでもない。

しゃぶしゃぶなのでお湯でもいいけど、
ここは和風だしの素をちょっとだけ入れてみる。

テーブルにコンロを用意し、鍋を乗せる。

いよいよだ。

ブリをひと切れ箸でつまみ、鍋の中へ。

しゃぶしゃぶ、しゃぶしゃぶ。
これぐらいか?

何しろテレビでしか観たことがないので、
どれぐらいしゃぶればいいのか、わからない。

しゃぶったブリにポン酢をつけて、パクンッ!

どれどれ。
どんな幸せがそこにあるのか?
モグモグ。

んっ!? あれっ!? おやっ!?
こんなもの!? ウソッ!?

脂は乗っているけど……。
ふわっふわだけど……。
臭みもないけど……。

嫁はんと顔を見つめ合い、「こんなもんなん?」。

別に美味しくはない。
青魚だけど、淡泊な白身魚のような味。
ただ、それだけ。

ブリは、にぎり寿司だと、
私の中ではかなり上位にくる食材だけど、
しゃぶしゃぶにすると、まったく嬉しくない。

何でこんなものを有り難がって食べているんだろう。
世の中の人は味音痴か? とさえ思ってしまう。

私の意見に賛同してもらえるかどうかはわからないが、
ブリのしゃぶしゃぶは美味しくない、
という結論に達した。

期待が大き過ぎた。

初めてのブリしゃぶが、
最初で最後のブリしゃぶとなった。

posted by 遊酔 at 08:26| Comment(0) | 楽食探訪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月11日

ありふれた焼肉屋で食事をする幸せ。

焼き肉が好きだ。
ステーキより好きだ。

雑念の入る隙がないほど、食べることに集中できる。

だけど、そうは財布が許さない。

残念ながら、たま〜〜〜〜にしか食べられない。

でも、食べたくなったら、食べ放題の店に行く。

1380円で時間無制限。

肉の種類も質もやや庶民的だけど、
私は大満足できるので、年に数回は利用していた。

そう、過去形。

なんと、その店のシステムが変わってしまった。

1000円程度に値下げしたけれど、
時間を「1時間程度でお願いします」
と注釈を入れたのだ。

このショックは大き過ぎる。
一番気に入っている店だと言っても良かったのに。

食べ放題で1時間はあり得ない。

私たち夫婦は、
いつもこの店で2時間近くはいたのだから。

半分の時間では満足できない。

普通の人が普通の昼食として焼き肉を食べるのなら、
1時間食べ放題で1000円は安いだろう。

でも、私はゆっくり、たっぷり、モグモグしたい。
時間が重要なのだ。

自分のペースで、食べ続けたい。

もう、この店には行けない。

別の店を探さなければ、私の心は飢えてしまう。

ネットで探しまわったけど、やはり焼き肉は高い。

あの店の代わりはいない。

そんな時、存在は知っていたけど、
まったく興味を持ったことのない店の
ホームページを見た。

私の知っている店とは別の支店に、
私の心を癒してくれる存在を確認した。

まさに、絶望期救世主伝説だ。

食べ放題ではないけど、
バラ・ロース・ハラミを中心にした
「牛盛り合わせ定食」が、900円で食べられる。
安い。

だけど、それだけでは満足できないだろう。

が、メニューには嬉しいサービスが書かれていたのだ。

「定食を注文された方限定!!
平常価格の半額!!」。

ここが肝肝。

ハラミ480円を240円。
バラ・ロース各580円を290円。

他にもホルモン系が半額。

これは、嬉し過ぎる。

これなら、私の腹も心も満足できるだろう。

ということで、いつものように嫁はんと出掛けた。

オープン直近の11時過ぎ。
一番客。

席に通され、メニューを拝見。

あるある、お目当てのものが。

まずは、「牛盛り合わせ定食」を2つ注文。

半額メニューも一緒に頼みたいところだけど、
もし、肉が固かったりしたら嫌なので、様子見。

しばらく待つ間にも、次々と客が入って来る。

これは間違いない。
早い時間でも客が来るということは、人気店なのだ。

店を観察している間に、定食が運ばれてきた。

おぉ〜〜〜、久々に見る牛肉。

焦る心を落ち着かせ、
まったく必要のない野菜から焼き始める。

いらなくても、
野菜を食べずに残すような無作法はしない。

野菜が嫌いなわけではない。
焼き肉の時には、無視するようにしているだけだ。

で、焼けたら、ムシャムシャ。
野菜の感想は省略。

お待たせ。
肉の登場。

並べて、待つ。
ただ、待つ。
また、焦る。

さぁ、いよいよ肉との格闘。

タレは、「しょうゆダレ」「みそダレ」
「ポン酢」が置かれている。

第一ラウンドのゴングが鳴る。

まずはしょうゆダレでハラミを。

あっさりめのしょうゆダレなので、
ハラミの旨味がダイレクトにわかる。

肉感はしっとりとしていて、やわらかい。

旨いじゃないか。

安いハラミは固いことも多いので、
ちょっと不安だったけど、これはいい。

次は、みそダレでロースをパクッ。

う〜ん、上品だ。
脂の少ないロースは、みそが合う。

そして、焼き肉の王。
と、私が呼ぶバラ。

順番でいくとポン酢だけど、
私はあまりポン酢で焼き肉は食べないので、
再びしょうゆダレで。

おぉ〜、さすがはバラ。
脂がのって旨い。
じゅんわぁ〜っと染み出てくる。

脂とあっさりとしたしょうゆが合っている。

その後、部位を変え、タレを変え、ひたすら食べる。

これは、満足度が高い。

ランチ用のお手軽メニューだけど、充分に楽しめる。
ご飯もバクバク進む。

この肉なら大丈夫だと、例の追加注文をすることに。

ハラミとロース。
半額なら、注文してしまうだろう。

一緒にご飯もおかわり。
こちらは無料。
嬉しい。

やって来たハラミとロースは、
盛り合わせの肉とはちょっと違った。

盛り合わせは形がバラバラで、
切れ端か? と思うようなものだけど、
追加分は、形の揃った“高級版”。

庶民の私はちょっとビビる。

でも、すぐに焼いて、ペロリッ。

これはいい。
これなら満足できる。
また、この店に来よう。

食べ放題ほどの満腹感はないものの、
ごくごく普通の焼肉屋で食べる、
ごくごく普通の焼き肉が、
充分に美味しいことを思い出した。

思い出したというのは、普通の焼肉屋で食べたのが、
30年ほど前のことだったからだ。

焼き肉好きならあり得ないのかもしれないけど、
安い食べ放題でしか食べていなかった。

経済的事情で、日常的には食べられないので、
食べるなら食べ放題と決めていたのだ。

泣けてくるほど、可哀想な私。
って、自分の責任だけど。

この店は、定食に2品追加しただけなのに、
充分に満足できる。

歳を取って、食べる量が減ったことも関係あるだろう。

これほどの満足感があるのなら、
食べ放題じゃなくてもいい。

これからは、この店で肉を堪能しよう。

でも、別の安い食べ放題の店ができたら、
そちらに行くだろうけど。

posted by 遊酔 at 14:42| Comment(0) | 楽食探訪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月16日

悲願(?)達成! トリュフを知る。

キャビア・フォアグラ・トリュフ。
世界三大珍味であり、高級食材。

ミーハーかもしれないけど、
やはり一度は食べてみたいと思うのが、
好奇心旺盛な超庶民
(と書いてスーパー庶民と読む)の性。

私は、もう大昔だけど、ちょっとお金のある年頃に、
バーでキャビアを、ホテルのフレンチレストランで
フォアグラを食べたことはあった。

だけど、トリュフと出逢う機会のないまま、
貧乏人となってしまったので、ずっと気になっていた。

三大珍味の2つを食べておいて、
残りの1つを取り残してしまったので、
積年の恨みならぬ、積年の憧れとなっていた。

トリュフ風味のポテッチやトリュフ入りのパスタソースを
試してみたことはあったけど、
土臭いだけで、味がまったくわからなかった。

テレビで観るような、丸いスライスを食べなければ、
本当の味はわからないだろうと思っていた。

けれど、超庶民があのスライスと出逢うことなど、
奇跡だと思う。
いや、思っていた。

が、まさかの救世主が現れた。

あり得ない出来事。

なんと、“丼と京風うどん”の「なか卯」が、
私の夢を叶えてくれるというのだ。

その情報を目にした瞬間、
身体全体がゾワゾワゾワと震えた。

おおぉぉぉ〜〜〜、こんなことがあるのか!

『トリュフの親子重』という商品を販売するという。

なか卯と言えば親子丼、というほどの代表選手。
そこに、あのスライスしたトリュフが
わんさか乗っている。

なか卯の親子丼も食べてみたいと思っていたので、
ワンストーンツーバードだ。
(意味のない言葉の置き換え)

これは、行かなくちゃ。

でも、遠い。

わかってはいたけど、時間の掛かることが、
これまで親子丼を食べに行かなかった理由でもあった。

だけど、今回はただの親子丼じゃない。
トリュフだ。
絶対に行く。

いざ、出発。

やはり遠かった。

高速道路は御法度なので、地道を走ったけど、
2時間45分も掛かった。

ファストフード店に行くだけなのに、
こんなに時間を掛けるのは、私たちぐらいだろう。

それほど、トリュフに憧れていたのだ。

いよいよ、店内に。

25年以上来なかったなか卯は、
券売機方式になっていた。

注文は決めていたので、
「どこを押すんや?」と迷いながら、
『トリュフの親子重』と
同時期のキャンペーン商品である『豚角煮重(並)』、
『きつねうどん(小)』を指でタッチした。

なか卯は京風うどんのお店でもあるので、
うどんを試さないわけにはいかない。

チケットを店員さんに渡してから、しばらく待たされた。

なか卯の中では高級メニューなので、
手間が掛かるのだろうか。

店内を観察しながら、
ワクワク感を自身で盛り上げていたら、やって来た。

ご飯ものは嫁はんと半分ずつ食べることにしたので、
私はまず豚角煮から。

テロンッ、トロンッ。
やわらかくて旨い。

濃い甘辛味だけど、クドくはない。

口の中で存在感を示しながらも、
ホロホロホロッとほぐれていく。

やるじゃないか、なか卯。

小松菜の漬け物と出し巻き玉子が乗っていたが、
これも旨い。
ご飯がすすむ。

ここで、うどんを食べてみる。

出汁をひと口。

ほぉ〜、いい出汁だ。
しょうゆが控えめで、塩を利かせている。

ほんの少し塩が強いが、目をつぶれる範囲だ。

うどんは、やわらか過ぎず、固くもない。
つるつるとした食感はなかなか旨い。

さて、角煮を半分食べたところで、
嫁はんのトリュフ重と交換。

早速トリュフだけを齧ってみる。

その前に匂いを。

ポテッチやパスタソースで嗅いだ匂いとは違う。
土臭くない。

きのこの匂いが鮮やかに鼻をつく。

齧ると、ポロポロッとくずれてしまう。

予想とはまったく違う。

食感はカシューナッツかアーモンドスライス。
味は、カシューナッツときのこを合わせたような感じ。

率直な感想は、不思議な味わい。

特に美味しいというものではないけど、
食感はクセになるかもしれない。

これを食べるために、
高級レストランに行く人の気持ちはわからない。

そこまでの価値を私は感じない。

でも、すっごい高級なトリュフは
違うのかもしれないなぁ〜、
という気持ちは残っている。

けれど、これで終わりにする。

トリュフへの憧れには、終止符を打つ。

本体の親子丼の感想を忘れていたけど、
とても上品な味わいで素晴らしい。

甘過ぎず、濃くなく、玉子もとろっとろで、
ほんと美味しいと思う。

なか卯さん、ありがとう。

posted by 遊酔 at 09:35| Comment(0) | 楽食探訪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月30日

地元で愛される手打ちうどん店の不思議。

そのお店の存在は知っていた。

手打ちうどんの専門店だけど、
興味を持ったことはなかった。

でも、たまたま地域の人気店をネットで探していると、
そのお店が出てきたのだ。

口コミを見ると、うどんが旨いという評価とともに、
「バラテキ定食」が旨いという感想が並んでいた。

初めて聞く料理だけど、はてさて何だろう?

うどんが旨いだけでは、さほど興味は持たないけど、
この「バラテキ」という響きに心が惹かれてしまった。

どうやら、豚のバラ肉を
自家製のタレを絡めて焼いたものらしい。

「豚バラのテキ」。

私には、この「テキ」という表現が旨そうに感じたのだ。

で、早速足を運んだ。

お店の佇まいは、如何にもな和風テイスト。
ちょっと豪華な田舎の和風レストランといった風情。

中に入ると、いきなりドハッ!
と出汁の香りが押し寄せて来る。

おぉ〜期待できそうだ。

席に着いて、メニューを見る。

「バラテキ定食」に決めてはいたが、
一応ひと通りチェック。

そこには、ごくごく普通のメニューが並んでいた。

で、注文。

定食には小うどんがついているので、
うどんを茹でる時間が掛かるため、
若干出てくるのが遅い。

運ばれてきた定食の膳は、パッと見には美味しそう。
価格の割には、豪華に見えた。

まずは、小うどんから。

口に近づけた時の香りは良い。
出汁が旨そうだ。

出汁をすすると、おやぁ〜。

これじゃない。
想像と違う。
というより、大きな期待はずれ。

出汁が薄く、醤油が勝っている。

香りから想像した旨味はどこへ行ったのか。

明らかに出汁の食材をケチっている。

次に、うどんをズズズッと食べてみると、
これが専門店なのかと落胆してしまった。

コシではなく、固さが際立つ。

太い麺なのに、茹で時間が足りない。

コシと固さを勘違いしている。

わかめ、天かす、ねぎが入っているのは良いが、
肝心の麺が良くない。

気を取り直して、バラテキを口へ。

豚肉はテキというほどの厚さはなく、
しょうが焼きに使うぐらいのもの。

我が家で食べる安い豚肉よりは軟らかく、
肉自体は旨い。

でも、自家製のタレの味がいまふたつ。

ウスターソースと醤油と砂糖を混ぜただけという味わい。

これもうどんと一緒で、醤油辛さが強い。

料理人の舌が麻痺しているのか。

期待が大き過ぎた。

つけ合わせのスパゲティサラダは、
冷凍のミックスベジタブルと
マヨネーズを混ぜただけのもの。

これも、マヨネーズをケチっていて、味が薄い。
業務用のものより、マズい。

漬け物は、たくあんの千切りだけど、業務用そのもの。

申し訳程度にごまが掛かったご飯は、固い。

ほうじ茶を出しているのは、
気が利いているなと思ったものの、
香りも味もほとんどしない。

これだけは旨い、とフォローするものさえ一切なかった。

どうして、このお店の口コミ評価が
そこそこ高いのだろうか。

私の舌がおかしいのか。

会計をする時、前にいたお客さんは、
スタンプカードを出していた。

つまり、常連さん。

ウソッ? と思ってしまった。

けれど、潰れずに営業を続けているということは、
常連さんがいるということ。

このお店の味をを好きな人がいるということ。

恐らく、地元の人の口には合っているのだろう。

口に合うか合わないかは、
本当の美味しさとは別次元のもの。

口に合うものを美味しいと感じるのは当然だ。

私はよそ者なので、
口に合わなかっただけなのかもしれない。

料理とは難しいものだ。

posted by 遊酔 at 10:12| Comment(0) | 楽食探訪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする